自然の理

だいたい私は、労働という言葉が嫌いなんです。別に、人間は働かなきゃいけないという動物じゃないんだ。働かなきゃいけないということは、動物の中でも人間だけですが、それは、もっともばかばかしいことであると思います。どんな動物も働かなくて食っているのに、人間は働いて食わなきゃいけないように思い込んで働いて、しかも、その働きが大きければ大きいほど、それがすばらしいことだと思っている。ところが、実際は、そうではなくてですね、額に汗をして勤労するなんてことは、一番愚劣なことであって、そんなものはやめてしまって、悠々自適の、余裕のある生活を送ればいい。


以上は、福岡正信さんの著書「自然農法・わら一本の革命」からの抜粋である。

なんのために人は働くのか、働くことの意味は何なのか。もしかしたら、多くの人が働くことの意味を勘違いしているのではないか。額に汗して働くことが一番愚劣であると喝破する福岡正信さんは、普段の日常を当然のこととして生きる私たちに、自然の理に反する生き方への疑問を投げかける。

すべては無意味であると福岡正信はいう。そうなのかもしれない。しかし、自然はその無意味なものすべてを包み込んでいる。自然の理に逆らわない生き方に、私たちは人の本来の姿と安らぎを見いだしていく。

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