令和

お昼頃、新元号の発表があった。菅官房長官が額縁を持ち上げると、そこには「令和」の文字があった。「安」がないことにほっとしつつ、なんだこれ、という感じ。

 

安久(60票)、安永(46票)、安始(32票)、栄安(31票)、安明(25票)、永安(21票)、永和(20票)、永明(19票)、安成(17票)、安栄15票)、和平(15票)

これはある酒販業者が募った新元号予想ランキングで、応募総数1,551通の投票結果の上位10位であった。上位6位すべてに「安」があり、上位11位中8つに「安」があった。

他にも似たような統計があまたあり、世間の大半は元号に「安」があることを希望しており、多くのワイドショーが新元号には「安」が入りそうだと喧伝していた。気味が悪いのは、「安」が安部首相の「安」でもあることを、どの番組も誰一人として指摘しないことであった。まさに裸の王様で、みんな変だと気づいているのに誰もそれを言わない。

安部首相は、何としても「安」の一文字を元号に入れ込もうと、マスコミに圧力をかけて必死に地ならしをしていたのかもしれないが、天皇・皇太子・皇室や有識者の良識が「安」の文字の採用を何とか阻止したのかもしれない。

しかし、決定した「令和」はなんとも堅苦しい。法令、政令、命令、勅令、捜索令状、逮捕令状、徴兵令、戒厳令などなど。極めつけは、昨年の13人のオウム真理教死刑囚への死刑執行命令。

令という文字を電子辞書(漢字源)で調べてみた。上の三画△は覆いの下に集めることを示し、 下の二画は人のひざまずく姿を表す。人々を集めて神や君主の宣告を伝えることを表すらしい。 神のお告げや、君主・役所・上位者のいいつけ、お達しなどの意味があるという。

後ろにある「和」は調和や平和であり、争わないことを意味するが、「令」と並べて解釈すると、お上の言うことには楯つかずに素直に従いなさい、お上と和合しなさいともなる。あるいは、お上の命令のもとで仲良くやりなさいともなる。

 

けっして、しっくりはいかないのだが、安倍首相の「安」の採用が阻止されただけでもよしとしなければいけない。「和」という好ましい漢字もあることだし。法治国家の下で平和に暮らしていく。これならしっくりいく。新しい年号が、「人の支配」から「法の支配」という本来の道に戻る方向付けになればよい。最終的には安倍首相が判断したのだから、きっとそうするのだろう。令和という時代に希望を託していく。

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