「チリ拾い」、「ゴミ拾い」どっち?

8月25日の投稿でチリ拾いという表現を使ったのだが、それでいいのか気になったので国語辞典で調べてみた。

塵[ちり]  :ごみ、ほこり

塵・芥[ごみ]:ちり、あくた

とある。

ちりはごみとあり、ごみはちりとある。漢字も同じである。

しかし、一般的なニュアンスとしてチリは埃(ほこり)のような小さな粒であり、ゴミは紙くずからガラクタまでを含め大きめなものをいうらしい。「らしい」いう表現をつかうしかない。そのニュアンスを感覚的につかめていないのだから。

昔はほぼ同じ意味であったが、時間の経過とともにニュアンスに違いがでてきたのだろう。沖縄では「チリ箱」の表現は今でもよく使われる。九州でも結構使われているようである。昔の古い言葉や古い使われ方は中央からより離れた地方に残っているということかもしれない。

観光客がゴミを捨てるとき、「チリ箱」に面食らうかもしれないが、それもいいんじゃない。ひとつひとつの小さな驚きと発見は楽しいことでもあるし、そのままでいいんじゃない。

琉球語が沖縄の日常語から忘れ去られようとしている。ウチナーグチはどうなってしまうんだろう。民族の独自性の原点は言語である。「チリ箱」は「チリ箱」でいいだろうという意識はウチナーグチを残していこうという方向性と重なるところがある。なんでも中央のものを取り入れて合わせるのではなく、沖縄らしさというのをいつまでも大事にしたいものである。

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