「塾長、あのさぁ、今日の先生よー、勉強はわかりやすいんだけどさぁ、何か話しにくい」
「勉強がわかりやすいんだったらいいさー」
「あの先生あまり話しないんだのにぃ、何かやりにくい」
「そのうち慣れてくるよー」
「そーだったらいいんだけどさぁ」
(ん~・・・、どうしたもんか。こりゃー、交代するしかないか。生徒が慣れるのを待っていたら入学試験が終わってしまう。)
分かりやすく教える、ただそれだけでは十分ではない。生徒はそれ以上の何かを望んでいる。勉強だけではない別の何かを。
話しかけてほしい、聞いてやってほしい、くみ取って感じてほしい、応えてあげてほしい。それは人と人の「交わり」というものかもしれない。
話していて楽しい先生、力強く頼りになる先生、生徒に好かれる魅了的な先生、そんな先生はきっとこの生徒との「交わり」が適切なのだろう。
生徒からソッポを向かれたら授業は成り立たない。生徒に好かれるというのは先生としての大事な資質である。
だからといって好かれることにあまりこだわる必要はない。生徒を好きになればそれでいいではないか。好きになれば適切な「交わり」も見えてくる。
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