本能と知性

右腕がしびれて痛かったので、整形外科病院で診察してもらった。診察の結果、筋肉が炎症を起しているのだという。1日、2日で治るらしく、炎症・痛み止めの薬とシップ薬をもらってきた。飲み薬とシップ薬の効果でだいぶ楽になった。

病院で診察を受けるのは約5年ぶりである。前回は野良猫に手脚を噛まれて外科病院で傷の手当てを受けた。子猫を持ち上げたところを、親猫に襲われた。手は子猫に噛まれて、脚は親猫に噛まれて、半ズボンの脚に牙と爪がもろに食い込んでかなりの血がでていた。

子猫に蚤駆除の薬をつけて上げようとしたところ、持ち上げた子猫が必死に鳴き叫ぶので、親猫が子猫を救おうと人間の脚に襲い掛かったのである。

大きさでは人間の10分の1、20分の1しかない猫が、人間に襲い掛かるというのは余程のことである。子供を守ろうと必死になったとき、母猫は身の危険を顧みない。動物が備える母性本能の神秘と力強さに驚かされる。

高等な知性を持たない動物でも、その本能には我々人間に畏敬の念を抱かせるシステムが備わっている。高等な知性を持つといわれる人間だが、この愚かさはどこから来るのだろう。人間の知性が度を越えて醜悪な姿を見せるとき、動物の本能の純粋さがことさら輝いてみえてくる。

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