和歌山カレー事件・冤罪(その2)

以下は、和歌山カレー事件 林眞須美死刑囚・長男著の「もう逃げない。」からの引用である。

【長男・浩次(仮名)は当時小学5年である】
逮捕の朝、起きたら家の中に大勢の警察官がいた。


母が逮捕されたのだろうか。2階に母の姿はない。1階へ降りて母を探そうとすると、裕美に引っ張られ、テレビの前に連れて行かれた。画面には、大勢のマスコミ関係者に囲まれてゆっくりと進む2台の車が映っていた。画面が大写しになると、フロントガラスの向こうに顔を伏せた母がいた。別の車に乗せられた父は、まっすぐ前を向いていた。

 窓を開けると、すぐ下にテレビの映像と同じ光景があった。玄関から門扉まで、ブルーシートでトンネルがつくられていて、道路には数え切れないほどのマスコミ関係者と野次馬があふれていた。裕美と顔を見合わせていると、愛美(林家三女・当時4歳)を抱っこした恵美もやってきた。ぼくらきょうだいは、両親を乗せた車がゆっくりと去っていく様子を、ただ眺めるしかなかった。


事件のあった和歌山市園部地区のほとんどの住民は、事件のことを語りたがらない。ドキュメンタリー動画作成者が、同地区の住民にインタビューしたのが次の動画である。https://www.youtube.com/watch?v=e07wHZfqrIM

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