全国学力テストの結果、沖縄県は他県に大きく差をつけられての全国最下位であった。高得点域ほどより多くの生徒が分布する基礎問題、このくらいはどの生徒でもできていて当然という基礎学力テストであった。
ある本土企業がコールセンターを沖縄から撤収し、北海道に移転したという新聞記事を5,6年前に県外の新聞で見たことがある。移転の理由は人的資源に乏しいから。いくら補助金で企業を誘致しようとしても人的資源が乏しければやりようがない。
経済的事情が厳しいから学力が低いという言い訳はもう辞めにしよう。子供たちの学力を高めるという種をまき、将来の経済的状況を改善していけばよいではないか。経済的状況がよくなれば学力向上にさらに取り組むことができる。
かつては経済的自立を困難にする大きな要因の一つに本土から離れた島嶼性が上げられたが、今日ではIT産業という成長産業がありこの分野なら島嶼性は何の障害にもならない。必要なのは知識と意欲だけである。特に数学の知識はIT産業では必須である。
ところが沖縄県は数学の学力テストの結果が特に悪い。小学生で悪かったのが中学生ではさらに悪くなって他県に大きく差をつけられている。
現実を直視しなくてはいけない。もし大人が十分に勉強をしてきたならば、今回の学力テストの結果はこれほど悪くはならなかっただろう。学校、家庭、地域社会におけるすべての大人に責任がある。まずは大人から動き出すべきである。
子供たちは大人の真似をして育っていく。大人が勉強をすれば子供たちも勉強をする。大人をモデルにして子供たちは自らを作っていく。まずは大人から勉強を始めよう。
本を読んでいる大人の姿や鉛筆を握って何かを勉強している大人の姿を子供たちに見せればよいではないか。「勉強しなさい」という一言よりもはるかに効果的である。
では学習塾や家庭教師には何ができるのかを考えるとき、その取り組むべき役割の重さと責任の重大さを痛切に感じる。生徒の指導環境の改善・向上の絶え間ない努力が求められている。
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