台風直撃

ここ2,3年台風が来なかったような気がするのだが、天気予報では久々の台風直撃の予想。4、5時間後には強風域か暴風域に入っているのだろう。子供たちはワクワク、大人たちも時にはワクワク、農業などの自然を相手に仕事をしている人には一大事なのに、それ以外の人々はワクワク、ドキドキ。

停電をして、電気やテレビが消え、ローソクを立て、ローソクの明かりがゆらゆら揺れる部屋に家族が集まる。いつもはそれほど会話のなかった家族に穏やかな遠慮のない会話がでてくる。外で荒れ狂う嵐の音、自然の驚異、身を寄せ合って頼りあうのは家族なのだと言葉ではないところで感じ合う。

1か月に1回ぐらい台風があったなら、世間によくある家族の不和はかなり解消されるのではないかと思ったりする。一人一人の人間の小ささを思うとき、人は互いに頼りあって生きるものだと感じてくる。自然という脅威を前に、一人一人が自分自身を振り返り、忘れていたものを理屈ではないところで体験として感じ取る。

北国では冬の厳しい降雪、南国沖縄では台風。沖縄にいて、自然への畏怖や畏敬を身近に感じる機会が少ないのではないかと思ったりする。自然への畏怖畏敬とともに小さな人間が互いに頼りあってささやかに生きていく。台風は一人でも人間は生きていけるという人間の勘違いとおごりを壊してくれる自然からの贈り物なのかもしれない。(農家の皆さんゴメンナサイ)

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