和歌山カレー事件・冤罪(その3)

以下は、和歌山カレー事件 林眞須美死刑囚・長男著の「もう逃げない。」からの引用である。

【長男・浩次(仮名)は当時小学5年である】
きょうだいたちは、両親を乗せた車が去っていくのを、2階の窓から眺めていた。


 あとで知ったのだが、このとき窓から外をうかがうぼくらの様子も、各局のテレビカメラに捉えられていた。NHKだけで23台ものテレビカメラが、わが家を取り囲んでいたらしい。
 ぼくは恵美に
「ママ、逮捕されたんか」
 と尋ねた。恵美は黙って頷いた。続けて「なんで健治も?」と尋ねた(ぼくらは、母のことを「ママ」、父のことを「健治」と呼んでいた)。母が7月に起きた「毒物混入カレー事件」の犯人として疑われていることは知っていたが、なぜ父まで逮捕されたのかがわからなかった。
 「カレー事件やない。保険金詐欺で逮捕されたんや」
 恵美は怒っていた。そのときは、土足で踏み込んできた警察官たちに腹を立てているのだと思っていたが、そうではなかった。恵美は、保険金詐欺をはたらき、犯罪者となった両親に腹を立てていたのだ。


長男は半年ぶりに、大阪拘置所にいる母に面会に行く。再審請求の高裁での棄却、いつかは知らない死刑執行の恐怖、子供を思う親心・・・。長男は母との面会を語る。それが、次の動画である。https://www.youtube.com/watch?v=pYgkiTjbVsY

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