リック・オバリー氏の強制送還

以下の文は2016年2月6日のJapanTodayの記事を私が日本語に翻訳したものです。イルカ漁の問題も大きいですが、それ以前に表現の自由への情け容赦ない抑圧に大きな危惧を感じます。

引用元http://www.japantoday.com/category/national/view/japan-deports-ric-obarry

イルカ活動家のリック・オバリー氏が日本から強制送還

日本の漁村のイルカ漁を描いてオスカー賞に輝いたドキュメンタリー映画に主演したリック・オバリー氏が2月5日金曜日にアメリカに強制送還された。それまで彼は東京の空港職員に入国を拒否され2週間以上拘留されていた。

リック・オバリー氏は、必ず日本に帰ってきてイルカを守るために日本の人々とともに闘い続けると言っている。

彼は搭乗している飛行機からAP通信社に次のように言っている。「この運動は続く。私を止めても、この運動を止めることはできない。」

彼の弁護士である高橋タカノ氏によると、日本政府は入国管理局が下した入国拒否決定へのオバリー氏側の異議申立を却下している。

オバリー氏(76歳)は1月18日の成田空港到着以来、成田空港の施設に収容されていた。オバリー氏と彼の弁護士はオバリー氏が彼の以前の日本訪問に関して嘘の申告をしたとして空港職員に追求されたと言っている。彼はそれを否定し、自分はイルカウォッチング目的の旅行者であると言っている。

オバリー氏は2009年にベストドキュメンタリーのアカデミー賞を取った映画「ザ・コーブ(入り江)」に主演した。その映画では、イルカの群れが日本の太地町の入り江に誘導され槍で突かれて殺され、そして周辺の水は血で赤く染まる。

オバリー氏はテレビの連続番組「フリッパー」の調教者であったので、イルカショーや水族館に対し自責の念を持っている。

彼は定期的に太地町を訪れている。

「当局は私を締め出そうとしている。しかし、彼らはこの問題に対する津波のような世間からの注目を集めるだけである。」と彼は拘留先の施設で今週始めに語っている。

「国外退去を命じられるのは悲痛である。私は決して日本の法律を犯していない。私は決して日本の当局に嘘を言ってはいない。」と彼は言っている。

出入国管理局は個々の事例に関しては何らコメントを出さない。

当局と漁民は、イルカの肉を食べることは牛肉やチキンを食べることと何ら変わりはないとして、イルカ漁を正当化している。

当局はオバリー氏を連日尋問したが、それは策略を含んだ質問に彼が引っかかり犯罪を自白するように仕向けるものであったと、彼は語っている。

彼は脱力感を感じ、良く眠れず、さらに拘留施設での食事が合わないのでキャンディーやポテトチップスで食事を済ますことになった。それで彼は車椅子に乗せられ両側を監視人にはさまれて飛行機に乗せられることになったと言っている。

彼が出入国管理局に言ったとされる嘘は、巧妙な方法であったと彼は言う。たとえば、最初は集会に行かないと話していたのに後で行くことになった、その理由はあのとき彼はまだ招待されていなかったのである。

彼は最初は、反捕鯨グループのシーシェパードとの繋がりも追求された。オバリー氏はイルカを世界中で平和的に保護することを目的とするドルフィンプロジェクトというグループを率いている。

彼は、以前はイルカ漁に頼っていたコミュニティの日本人とともに、彼らがスキューバダイビングやイルカウォッチングなどの新しいタイプの仕事に切り替える手助けをするために働いている。

「これは表現の自由に対する正面からの平手打ちである。」と彼は当局の自分に対する取扱いについて語る。「しかし、これによって私の日本への愛情が揺らぐことはない。」と彼はまた言う。

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