孟子(もうし)が幼い頃、彼の家は墓地のすぐ近くにあった。そのためいつも、葬式ごっこをして遊んでいた。孟子の母は、
「ここはあの子が住むにはふさわしくないところだわ」
そう考えて引っ越すことにした。
移り住んだのは市場の近く。孟子は商人のまねをして商売ごっこをして遊んだ。
孟子の母は言った。
「ここもあの子が住むにはよくないわ」
再び引っ越して、今度は学校の近くに住んだ。
孟子は、学生がやっている祭礼の儀式や、礼儀作法の真似事をして遊ぶようになった。
「ここならあの子にぴったりね」
孟子の母はここに腰を落着けることにした。
やがて孟子は成長すると、六経を学び、後に儒家を代表する人物となった。
故事成語のお話
中国の戦国時代の儒家、孟子の母に関する話である。
孟子の母は子供により良い環境を求めて3度引越しをした。子供の教育には環境が大切である。
さて、塾での勉強を振り返ってみよう。ひとりひとりの先生が環境である。
家での勉強を振り返ってみよう。お父さんお母さんが環境である。
先生方が変わらないといけない。お父さんお母さんが変わらないといけない。子供たちにとって、より良い環境になるように。
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