朝、車に乗り家から出ようとすると、一時停止した対向車の運転席から中年のおばさんが声を掛けてくる。
「こんにちは、お父さんはお元気ですか。私はあなたのお父さんの教え子なんですよ。そして、私の兄は○○といって、あなたのお父さんと同級生なんです。」
「○○先生はあなたのお兄さんなんですか。私は大学で○○先生に教えてもらったんですよ。ずいぶんお世話になりました。」
最近足が悪くなり外での散歩が難しくなった父だが、外で見かけないのでと、教え子が気にかけてくれる。教え子の声が、自分の知らない父を思わせてフッと嬉しくさせる。
教え子の連鎖と広がり。遠い時代から思いとともに連綿と続いてきたもの。何も勉強を教えるとは限らない。教え子のつながりが、また続いていく。
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