動機づけの連鎖

新入学・進級で子供たちも期待に胸をふくらませ心がはずむ季節。高校野球では沖縄尚学高校が選抜大会で2度目の優勝を果たし、子供から大人まで多くの県民が感動させられた。

この出来事そのものは子供たちにとって大きな励みになる。勉強しなさいという言葉よりはるかに効果的に生徒の心を突き動かす。自分にもできるかなと思わせる。自分にもできると気づかせる。

9年前に優勝したときのエースピッチャーである比嘉公也監督は選手たちにとって目標であった。目標となる人が目の前にいる。存在そのものが大きな動機づけだったのだろう。

優勝後のインタビューで、比嘉監督や東浜投手、西銘主将が真っ先に周りへの感謝の言葉を述べるなどその落ち着いた話しぶりは、技術面だけでなく精神面でも磨かれたものを感じた。比嘉監督と選手の間で交わされている普段の言葉が自然に出たのだろう。

比嘉監督から選手たちへ、選手たちから試合を観戦した県民へ、動機づけの確かな連鎖が続いている。彼らからの動機づけをしっかりと受けとめよう。そして今度は自らが誰かの動機づけとなろう。動機づけの連鎖の役割は誰もが持っている。その役割の意味を自覚しその責任を担っていく中で各人の自己実現も可能になるというものだろう。

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