「恵庭OL殺人事件」伊東秀子著より(その5)

「恵庭OL殺人事件」伊東秀子著より

著作では容疑者の大越美奈子さんは仮名で大妻になっている。大妻は逮捕され警察の車に乗せられた。

(大妻の陳述書)

車の中で刑事が言った。
「親の前で手錠をかけるのもなんだから、手錠かけなかったし、こっちだって気を遣ってあげたんだから。」
 たしかに家を出る時、私の手に手錠はかけられなかった。私の乗った車の中で刑事さんたちが話をしている。
「やっぱりしていかないとマズイだろう。」
「俺もってないぞ。」「俺もしらないぞ。」
 車の中を見回している。
「ないぞ。○○が持ってるんじゃないか。聞いてくるか。」車が止められて一人の刑事さんが後ろから付いて来ていた車に行った。
 刑事が「あった、あった。やっぱり持っていたわ」と言いながら帰ってきた。「一応決まりだから。」そう言って私の手に手錠がかけられた。かけられた手錠の重さと、その現実はショックだった。何の緊張感もなく、彼らにとってはただの日常の仕事なのかもしれない。私を逮捕するために、私の手に手錠をかけに来た彼らの日常会話がこれだった。
 私の人生は狂わされた。
 着いた所は、千歳署のあの部屋だった。任意の時と同じ部屋、あの時と同じ臭い。頭の中に恐怖が蘇ってきた。必死でポケットの中の物を握りしめていた。入院してやっと消えかけた恐怖が一瞬にして蘇ってしまった。
 いろいろな手続きがされ、私の身柄は移された。あの部屋から出られただけでも少しほっとした。
 道警に着き、いろいろ検査され、私の身体にはTシャツとパンツしか残らなかった。孤独感、不安感。いろいろな思いが湧いてきた。


 

次の動画は、同事件の疑問点を描いている。
https://www.youtube.com/watch?v=_yGed6UeaA8&list=PLV5ZbEGMr6UUcrrt67XTYPh3mJ6MzgsqY&index=2

警察は
アリバイが成立していても、証拠隠しで犯人にする。

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