著作では容疑者の大越美奈子さんは仮名で大妻になっている。取調べによる心身の不調で、大妻は神経科へ一時入院する。そして退院を迎える。
[大妻の陳述書 逮捕の朝]
二十二日、退院祝いに友人からプレゼントをもらった。「見て、お母さん。これはきっと安倍さんからだよ。凄いよ、ジーンズの足の長さまでピッタリだよ」、どれもがピッタリなことに驚きながら私は一人でファッションショーをして、みんな枕元に並べ、ぬいぐるみも、服も、みんなからの手紙も、お守りも、他にも沢山の気持ちが嬉しくてみんな並べた。あんなに安心して夜眠れたのはあの日が最後だった。翌日の朝六時に刑事が来た。
「何でもいいから早く服に着替えて。とりあえずここに座って。」
ものすごく急がされた。友人からもらったTシャツを着て、スカートを履いた。逮捕状を読み上げられた。「しっかりしなきゃ。なんて書いてあるのかきちんと見て先生に言わなきゃ。」日付が五月二十一日だった。頭の中が真っ白になってしまった。
「はい、六時ね。さっ、行くよ。」
「もう逮捕状が執行されたから駄目。必要な物は後で差入れてもらえばいいでしょ。」
私には何の身支度をする時間も、顔を洗う時間さえも許されなかった。
「寒いから上に何か着て」と言われてジャケットを着、そのジャケットのポケットに入れるだけの物を詰め込んだ。平松(病院)でできた友だちからもらったハンカチ、色違いのブレスレット、おばちゃんからもらったお守り、多賀さんから借りた腕時計、安倍さんからもらったハンカチ、お守りの茶色の石。
それがやっとだった。車に乗せられた。
次の動画は、同事件の概要を描いている。
https://www.youtube.com/watch?v=KmHIMVF4grk&list=PLV5ZbEGMr6UUcrrt67XTYPh3mJ6MzgsqY&t=3s
「職場2階の女子更衣室で被害者Hさんのロッカーの上着の胸ポケットから、Hさんの携帯電話が見つかり、そのロッカーの鍵が大越さんの車のグローブボックスから見つかった。」とあるが、ロッカーの鍵の大越さんの車内からの発見は警察の捏造である。その職場の女子更衣室では、ロッカーに鍵をかける習慣が全くなかったことを警察は知らなかった。
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