丁寧語

久しぶりに教室のブログに投稿した。むこうでは他の先生方にならい丁寧語で書くことにしている。(生徒募集もあるし)http://st-ginowan.seesaa.net/

一般に沖縄の人は丁寧語が苦手である。私もその部類かもしれない。

沖縄の人は、目上の人に対して丁寧語で話さないことがよくある。親戚が集まったとき、目上の人に丁寧語で話したことが私はたぶん一度もない。丁寧語で対応されない目上の人は、それを当然のこととしていたようである。※(私はウチナーグチと言われる沖縄語を普通に理解しているが、子供の時からそれを使う習慣がなくどんな人に対しても日本語の標準語で対応していた。その習慣がなかったことを今にして非常に残念に思うのだが。)

では、沖縄の人は目上の人を尊重していないかというと、それはとんでもない。沖縄の人が丁寧語を話さないのはただ単に日本語の丁寧語が苦手だったからである。いや、日本語そのものが苦手であった。それは年齢が高齢になるほど、また時代を過去にさかのぼるほど苦手であった。その苦手な日本語が丁寧語や敬語、謙譲語になると、なおさら難しくてしょうがなかった。

せめて沖縄の人同士では、どうせよく使いこなせないのだから使わなくてもいいんじゃない、という流れで今の風潮にいたったのだろう。

実際、ウチナーグチ(沖縄語)の会話では、親・子供・孫の間で目上に対して雑なタメ語が使われることはまず考えられなかった。また、知らない同士でのタメ語も普通になかった。知らない同士でタメ語を使うと、険悪で嫌な雰囲気になってしまうものであった。

また、沖縄の人の気質もいくらか関係がありそうである。沖縄のひとは、日本本土に比べた場合、上下関係を明確に区別することをあまり好まないようであり、お互いの関係を上下ではなく横の関係にしたがる傾向が多分にあると思われる。わたし自身、人の上に立って偉そうにするのも、目上の人にへりくだってペコペコするのも好きではない。横の関係が性に合っているようである。

結論として。

沖縄の人が、丁寧語が苦手なのは、沖縄が日本に組み込まれたとき沖縄の人にとって日本語は外国語でありその習得はそんなに簡単なものではなかったからである。日本語はタメ語の方がお互いに理解しやすく、相手が高齢の場合はタメ語の方がむしろ相手を尊重することになった。高齢者に対して丁寧語を避けるのは自然なことあった。それに沖縄の人の横文化を好む気質も加わって、丁寧語をあまり使わない土壌が作られていったのだろう。

そうは言っても、もうそろそろ言い訳はやめたほうがよいかも。丁寧語ぐらいはできて当たり前なのだろう。社会的気風にいつまでも甘えてはいられない。

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