南の空にさそり座、すぐ上にひときわ白く輝く木星、夏の夜空は眺めているだけで楽しい。さそり座の胸元に赤く輝く一等星のアンタレス、その光は今から550年前に放たれたものだ。そのころは日本各地に群雄が割拠した戦国時代である。
北の空には夜の道しるべの北極星、431年前に放たれた光が今を生きるの我々の目に届く。西暦1576年に光ったもので、そのときは織田信長がまだ生きており、長篠の戦いで武田軍を滅ぼした翌年に当たる。明智光秀により自害に追い込まれる本能寺の変まであと7年を残している。信長はあの光とともにあと7年は生きている。
ただ星を眺めるだけでなく、星が光ったそのころに歴史の上で何があったかに思いをはせると、星の光を受けとめる自分自身がその時代にタイムスリップしたかのような感覚になる。
勉強、仕事、人間関係、そのほかいろいろな問題とともに人はそれぞれの生活を送っているのだが、ときにはそれらの思いから離れて夜空の星に目をやり、広い宇宙と悠久の時間に身をゆだねてみるのもよいと思う。広大な宇宙からみると人間の持つ欲望や悩みがなんとむなしく小さいことか。
夏の夜、星空を眺めながらのジョギングは一日の心身の疲れをやわらげる。こないだまで部屋の中で運動をしていたのだが、外を走り始めたらもうやめられない。蚊が邪魔なのだが気にしない。外の空気は爽快だ。
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