巡り合わせ

いとこの息子が、この春、県内の公立高校から現役で東京大学に合格した。現役で東大というと、そんな公立高校は限られてくるのだが。

小さい頃、父親が亡くなり、その子は母親だけという片親のもとで育っていった。普通の予備校や塾には通っておらず、英語専門の塾に通っただけだったという。金のかからない孝行息子である。

いとこの家庭は決して裕福ではなく、母親が仕事をしながら子供たちを育てていった。まだ下の子供たちが残っているので、しばらくは大変なのだろう。

人の能力とは何なのか。人の能力を引き出すものは何なのか。優しい穏やかな血筋と母親の柔らかい笑顔、そして父親からもらった資質、父親の早逝という巡り合わせ。

好むと好まざるとに関わらず、人はある環境のもとに生まれる。その環境は本人だけのものであり本人だけしか知らない。巡り合わせで与えられた環境が、一人ひとりの出発点である。

与えられた出発点を変えることはできない。親を選ぶことはできないし、育っていく家庭を選ぶこともできない。しかし、出発点の意味は変えることができる。

巡り合わせの環境とどう向かい合うか、それをどう意味づけるか。人の生き方は、子供の頃から試される。

コメント

タイトルとURLをコピーしました