体験記その4 博物館(死の行進)

「これは【バターン死の行進】の絵です。日本軍によって遠方の収容所に連行されるアメリカ兵捕虜・フィリピン兵捕虜や地元民間人の多くがその途中で命を失いました。食料の十分な支給のないまま、4列縦隊の行進で横の4人は肩を組んで歩かされ、歩けなくなり肩から外れるとその人は殺されました。」

「バターン死の行進については聞いたことがありますが、こんなにひどかったんですね。」

日本軍の侵略により民間人を含む多くのフィリピン人が殺されたという事実。侵略した側の国民がそのことを忘れても、侵略された側はそのことを忘れない。

今年5月12日、宮城県の航空自衛隊基地で、「731」と大きく機体番号の書かれた自衛隊練習機に乗り込み、安倍首相が親指を立てて笑顔でポーズをとっていた。「731」という番号は日本軍が満州で中国人・韓国人・ロシア人を使って人体実験をしたといわれる731部隊を連想させる。

人体実験で「マルタ」(被験者)として殺された多くの人たち。中には女性や子供もいたという。加害者の側が忘れても、被害者の側が忘れることはない。

平気で「731」という番号の機上でポーズをとる安倍首相。日本は絶対に避けるべき人物を首相にしてしまった。今、日本の言論はすでに大きく統制されている。マスメディアは沈黙するか、事実を曲げられるかである。司法は現内閣により恣意的に支配されている。その上さらに秘密保護法案が通ったら日本はどうなるのか。かつて、治安維持法による言論弾圧から日中戦争・太平洋戦争へと進んでいった。同じ道程を、日本は再びたどろうというのか。理由が秘密のままで逮捕されることさえありうる。不気味に漂う空気を敏感に感じ取る感性と真実の情報の認識が必要なときである。

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