ブッシュ元大統領、裁判3日目その2

以下は次の記事からの翻訳引用である。
https://realrawnews.com/2021/12/george-w-bush-military-tribunal-day-3-part-ii/

柔らかい口調で話す浮世離れした感じのドナルド・エバンスはジョージ・W・ブッシュの堕落した政権の中でも気取らない人物であった。彼によると、彼とブッシュは長い間一緒にやってきた親友であったという。エネルギー産業の重要人物であったエバンスは、ブッシュ政権の閣僚の一人でブッシュから特に気に入られていた。ブッシュは第43代大統領の自分に忠誠を誓う人物には互恵主義で対応し、エバンスへの厚遇はその意思表示であった。エバンスは第34代商務長官として働いている間、目立たないことを常とし、会議で呼ばれる以外は自分のオフィスから離れることはなかった。彼は最初からほとんど目立つことはなく、ブッシュの軍事裁判で月曜日の午後に検察官のための証人として表に現れるまでは消え入りそうなほど世に知られていなかった。

彼は以前の上司に対する証言をするためにズームの画面に現れた。

「エバンスさん、この委員会はあなたがここに来てくれたことに感謝しています。私とあなたの最初の面接であなたが私に話してくれたことをこの陪審団に話してもられませんか?」とクランドル少将はその証人に話しかけた。

予期していた通り、ブッシュの弁護士のデイビッド・アウフハウザーは、彼がまだ面接の機会を与えられなかった人物を証人として呼ぶのは正当なやり方ではないと異議の声を上げた。

ブッシュが初めて声を上げた。「ドナルド、よりによって君が証人なのか、考えもしなかったよ」と彼はしわがれ声で言った。

しかし、クランドル少将は彼らの間に割って入った。参加者で秩序を保つことに協力できない者がいるなら、この部屋をきれいにしてブッシュとアウフハウザーが欠席のまま裁判を終わらせてもよいと彼は言った。そして、委員会のメンバーにエバンスの証言を聞くようにと言った。

「2001年の9月10日の木曜日の朝、私はいつものように自分のオフィスにいた。午前10時か11時ごろ、正確な時間は思い出せないのだが、ブッシュが私のオフィスに電話をしてきた。彼は私に何か言いたいことがあるといった。あの様子を何と表現したらよいか分からないのだが、彼の声は震えていた。たぶん緊張していたのだろう。私の家族や友人は、ほら、あのタワーで働いていたんですよ。出し抜けに、彼は私に、その日は彼らを仕事に行かせてはいけないと言い、さらに彼らはその都市から離れるべきだと言った」とエバンスは言った。

「被告のジョージ・W・ブッシュは、このことをあなたに言ったんですか。そして、あなたはその電話の声がブッシュのものだと確信がありましたか」とクランドル少将は尋ねた。

「私と彼は50年の知合いですよ。間違いなく私は彼の声を知っています」とエバンスは返答した。

「ところで、ブッシュはあなたに、9月11日の火曜日にタワーやマンハッタンを避けるべき理由を話しましたか?」とクランドル少将は言った。

「彼はわたしに、何かが起こるかもしれないとだけ言いました。そして、もしそれが起こったときは、私はそれについて決して話してはいけないし、それは彼から私への警告でもあると言っていました。彼はそれを脅しで言ったのではありませんが、怖がらせる感じはありました。そして、あなた方は私が言うことを理解するために本当に彼を知らなければなりません」とエバンスは言った。

「あなたは彼の忠告を受け入れましたか?あなたは家族や友人にあの場所を避けるように忠告しましたか?」とクランドル少将は尋ねた。

「私は彼が真剣であると思いたくなかったので、私は家族や友人に忠告はしませんでした。もし私が忠告していたなら、彼らは今日もまだ生きていたでしょう」とエバンスは言った。

「ところで、あなたはブッシュの激怒を恐れるあまり、彼があなたにした忠告をこの20年間他の誰かに一度も話したことはなかったのですか?」クランドル少将は尋ねた。

「それは正しくありません。私は9/11委員会の議長のトーマス・キーンに手紙を送りました。彼は最後の報告書からそれを除外することを選んだのだと思います」とエバンスは言った。

しばらく黙った後、クランドル少将は被告人側に証人への反対尋問があるかどうか尋ねた。

「二つの質問があります。エバンスさん、最初に、クランドル少将とJAG(海軍法務総監)や軍事委員局は今日のあなたの証言に対して何か見返りの約束をしませんでしたか」とアウフハウザーは言った。

「いいえ、なかったです」

その返答に満足したかに見えて、アウフハウザーはもう一つの質問はしなかった。そして、クランドル少将は次の証人は12月21日(火曜日)の朝の法廷の前に現れると言った。

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