官製談合汚職の名護市、登録申請会社に過去の実績を示す契約書の添付を求めずに、実績の検証のないまま指名業者登録名簿を確定。それをもとに競争入札指名業者が決められた。官製談合のために作られた「ざるの検査」、幽霊会社・共謀会社をすり抜けさせるためのシステム。名護市が首謀した官製談合、虚偽と欺瞞が各方面に蔓延している。
6月7日、名護市総務部工事契約課を公文書の受取で訪問した。名護市地域経済部観光課では委託業務の競争入札は公募では行っておらず、選定された限られた指名業者間で競争入札が行われている。そして、申請業者からの指名業者の選定と名簿への登録は総務部工事契約課が行っているのだという。
そこで私は総務部工事契約課に情報開示を請求した。普通のアパートの1室を本社とし表に看板さえない会社の㈱アウルアイ、そして本社の玄関先の地面のブロックに小さな立て看板を置いただけの㈱ハートス、これらの幽霊会社のような2社がなぜ指名業者名簿にリストアップされたのかその経緯を示す情報の開示を請求した。
そして、受け取った文書が以下にある合計8枚の文書である。
まず最初の文書1には、㈱アウルアイと㈱ハートスの実績を証拠づける文書は保有したことはないとなっている。実績を証拠づける根拠が存在しないのにどのようにこの2社を指名業者名簿にリストアップしたのか。
それから文書2では、㈱アウルアイと㈱ハートスの実績を示す相手側取引先は非公開となっている。相手先・発注元はほとんどが地方自治体なのだろうが黒塗りにする意図ははなはだ不明である。文書の偽造が明らかになるからなのか。
それから、文書3と文書4は令和5・6年度名護市物品・役務参加登録申請書類受付簿であるが、㈱アウルアイは令和5年2月24日に指名業者名簿に登録されたとなっており、㈱ハートスは令和5年3月2日に指名業者名簿に登録されたとなっている。そして、名簿登録期間は更新制で2年毎に更新され㈱アウルアイと㈱ハートスは過去において継続的に何度も選定されているのだという。
それから、文書5と文書6は㈱アウルアイが名護市物品・役務参加登録申請に際して名護市提供の書式に自ら記入して名護市に提出した文書で㈱アウルアイと地方自治体との物品販売と役務提供の契約実績示すものである。㈱アウルアイはアパートの1室が本社で看板のかかっていない会社であるが、過去6年間で名護市との契約はゼロである。その㈱アウルアイが他の地方自治体とは過去2年間で多くの契約を交わしておりそれが実績として評価されて名護市は㈱アウルアイを指名業者名簿に登録したのだという。そしてほとんど幽霊会社の㈱ハートスについても文書7と文書8で実績の報告書類を提出している。
ところが、名護市から記入を求める書類の各様式には下段に『注)1.最近2年の間に締結した主な契約実績を記入すること。(契約書を添付する必要はありません。)と書かれている。これは何を意味するか。実績を証明する契約書の添付が必要なければ、存在しない事実・虚偽の事実を実績として報告することが可能である。虚偽の事実を実績として報告された場合に名護市総務部工事検査課はそれを見破る手立てはあるのかと職員に問うと、無いのだという。
どうやら、このあたりが官製談合を成り立たせるための重要な事前のお膳立てのようである。指名業者名簿に登録させたい共謀会社に、実績を証明する契約書という根拠書類の添付求めないまま自己申告の実績の書類を提出させて、その実績の信ぴょう性の検証もないまま指名業者名簿に登録する。指名業者名簿の登録は、総務部長、名護市長の決裁をもって確定する。その確定した指名業者名簿をみて、地域経済部観光課は昨年の全日本花いっぱい名護大会の委託業者として、㈱オリエンス・㈱アウルアイ・㈱ハートスの3社を競争入札の指名業者として選定した。委託事業者の公募はなく、指名業者だけで競わせた。
幽霊会社の2社㈱アウルアイ・㈱ハートスと㈱オリエンスの合計3社に競争入札をさせた。㈱アウルアイと㈱ハートスは噛ませ犬、負け役、最初から契約先は㈱オリエンスと決まっていた。
共謀する指名業者の選定がそもそも公正ではない。ここが問題である。指名業者名簿登録への申請に、過去の実績を示すものとして契約書の添付を求めないことで共謀会社の指名業者名簿登録と指名入札指定を可能にし、そして官製談合を可能にしている。
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