県の行う感染症対策に物を申したくて、県庁の感染症対策課に電話をかけてみた。
「もしもし、意見を提言したいんですがよろしいでしょうか」
「どういうことでしょうか」
「インドでの爆発的な感染者と死亡者の増加をご存知でしょうか」
「はい、知っています」
「ADEについて知っていますか」
「いいえ、知りません」
「あの~、直接そちらへ出向いてお話してもよろしいでしょうか」
「そんな予約は受け付けていません」
対応がそっけない。
次の日、昨日になるが直接県庁の感染症対策課を訪問してみた。4階のフロアーを一巡すると他の部署と違い感染症対策課だけが一種独特の雰囲気である。どのドアも開けっ放しで、全部の間仕切りが取り払われて、そこに机とコンピューターがギッシリと置かれて、多くの職員が慌ただしく仕事をしている。ピリピリした空気がただよい、声をかけるタイミングがつかみにくい。
しばらく入口近くに立っていると女性職員が声をかけて来た。
「何か、御用ですか」
「意見の提言をしたいのですが、どなたかお話できる方はいますか」
「しばらく、お待ちください」
しばらくして、30歳前後の男性が入口に現れた。
「用件は何ですか」
「意見の提言をしたいのですが」
「それは受け付けていません」
「大事なお話なんですが、聞いてもらえませんか」
「受け付けていません。あなたはアポは取っているんですか」
「いいえ、昨日電話をしたら予約は受け付けていないというので、直接今日お伺いしているんです」
「どっちにしても、個人の意見は受け付けていません」
「県民の意見は聞かなくてよいんですか」
「はい、よいです。どうぞ帰って下さい」
今まで出会ったことのない異常な世界である。人は余裕がなくなると、自分の言動の是非が分からなくなる。この異常な世界が、沖縄県の感染症対策を取り仕切っている。
1階の総合案内に行き県民の声を伝えたいというと、5階の広報課にある投書箱を案内された。投書箱は不本意と思いつつ広報課にたどり着いた。文書は持っていないというと、男性職員が通路で対応してくれた。
20分ぐらいの間、担当職員は私の提言を熱心に聞いて下さった。
「では、今までのお話を私が文書にして感染症対策課に届けておきますね」
「お話を聞いて下さって、本当に有難うございます。感染症対策課の対応でショックを受けていましたが、これですがすがしい気持ちで帰れます」
担当職員に頭を何度も下げてお礼をして、県庁をあとにした。ある部署の足りないところは、他の部署がカバーしている。ある種のチームワークである。それでもやはり、県の感染症対策課は異常である。
余裕のない仕事をしていると、人の判断力は鈍る。今がそうではないか。県の感染症対策の判断に、専門的知見はどう反映されているのか。そこに、伝染病や免疫学の専門家はいるのか(免疫学に精通した医者は少ないと言われるが)。外部の意見を排除する体制で本当に適切な判断ができるのか。
県の感染症対策課に、今後の対応すべき三つの改善点が指摘しておきます。
一つ目は、県民の声を尊重すること。
二つ目は、広く知恵を拾い集めて適切な判断に生かすとこと。
三つ目は、感染症対策課にまともな仕事環境が与えられること(職員のイラツキの原因となっている)。
県の方針を決定する幹部職員の皆様方
よろしくお願いいたします。
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