小説を超えた異様な展開

「でも、最大の反発を招いたのは、みずから発展させた遺伝子工学を、病気の治療ではなく創出に使った方が人類にとってはるかに有益だという主張だった」

「なんだって!」

「そうなの。ゾブリストは、自分の技術は人口増加を食い止めるために使われるべきだと主張したのよ。遺伝子を組み合わせて、現代医学では治療できない新種の病気を作り出すことによってね」

遺伝子を組み合わせた未知の合成ウイルスが解き放たれて、とめどなくひろがっていくさまを思い浮かべ、ラングドンは恐怖が湧き上がるのを感じた。


 

ダン・ブラウンの「インフェルノ」の一場面である。遺伝子工学を使って作られた新種の病気で人口増加を食い止めて、人類の滅亡を防ぐ方法が語られている。

そして現実の世界では遺伝子工学で新型コロナウイルCOVID-19が作られて、さらにはコロナワクチンまでが作られた。しかし、予想外のところで彼らの人口削減計画を阻むものがあった。それは世界のどこにでもある超安価な駆虫薬(イベルメクチン)であった。現実の世界は小説よりもはるかに異様な様相と展開を見せ始めた。

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